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大阪地方裁判所 昭和60年(わ)2740号 判決 1985年11月11日

本店所在地

大阪市港区市岡元町三丁目六番一〇号

地田株式会社

右代表者

地田勝三

本籍

富山県黒部市石田野三三八番地

住所

大阪市港区市岡元町三丁目六番一〇号

会社役員

地田勝三

昭和一七年三月一〇日生

右両名に対する各法人税法違反被告事件につき、当裁判所は検察官加藤敏員出席の上審理し、次のとおり判決する。

主文

被告人地田株式会社を罰金七五〇万円に、被告人地田勝三を懲役八月に処する。

被告人地田勝三に対し、この裁判確定の日から三年間その刑の執行を猶予する。

理由

(罪となるべき事実)

被告人地田株式会社は、大阪市港区市岡元町三丁目六番一〇号に本店を置き、解体工事請負業を営むもの、被告人地田勝三は、被告人会社の代表取締役としてその業務全般を統括しているものであるが、被告人地田勝三は、被告人会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、

第一  被告人会社の昭和五六年二月一日から同五七年一月三一日までの事業年度において、その所得金額が三七、三七七、八二二円(別表(1)修正貸借対照表参照)で、これに対する法人税額が一四、七〇九、〇〇〇円であるのにかかわらず、架空外注費を計上するなどの行為により右所得の一部を隠匿した上、同五七年三月三一日、同市港区磯路三丁目二〇番一一号所在の所轄港税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が八、六二一、六〇三円、これに対する法人税額が二、六三一、五〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、法人税一二、〇七七、五〇〇円(別表(3)脱税額計算書参照)を免れ

第二  被告人会社の同五七年二月一日から同五八年一月三一日までの事業年度において、その所得金額が五九、九三九、三四二円(別表(2)修正貸借対照表参照)で、これに対する法人税額が二四、二一四、三〇〇円であるのにかかわらず、前同様の不正行為により、右所得の一部を秘匿した上、同五八年三月三〇日、前記港税務署において、同税務署長に対し、右事業年度の所得金額が九、一七一、五三五円、これに対する法人税額が二、八九一、八〇〇円である旨の虚偽の法人税確定申告書を提出し、もって不正の行為により、法人税二一、三二二、五〇〇円(別表(3)脱税額計算書参照)を免れ

たものである。

(証拠の目標)

判事全事実につき

一  被告人地田の当公判廷における供述

一  被告人地田の検察官に対する供述調書二通及び大蔵事務官に対する質問てん末書一四通

一  久保淑子の検察官に対する供述調書

一  井原信幸、西村勝、水野雅弘の大蔵事務官に対する質問てん末書

一  大蔵事務官作成の調査官調査書一七通

一  田中博作成の確認書二通

一  大蔵事務官作成の青色申告取消証明書

一  当期間作成の法人登記簿謄本

一  被告人地田作成の被告人会社の定款

判事第一の事実につき

一  大蔵事務官作成の被告人会社の昭和五七年三月三一日申告の法人税確定申告書の証明書

判事第二の事実につき

一  大蔵事務官作成の被告人会社の昭和五八年三月三〇日申告の法人税確定申告書の証明書

(法令の適用)

被告人地田の判示各所為は、法人税法一五九条一項に各該当するので、所定刑中各懲役刑を選択し、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四七条本分、一〇条により犯情の重い判示第二の罪の刑に法定の加重をした刑期の範囲内で同被告人を懲役八月に処し、情状により同法二五条一項を適用してこの裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予することとする。

被告人地田の判示各所為は、被告人会社の業務に関してなされたものであるから、被告人会社については、法人税法一六四条により、被告人地田の前記一五九条一項の違反行為につき、いずれも同条項の罰金刑に処すべきところ、以上は刑法四五条前段の併合罪であるから、同法四八条二項により各罰金の合算額の範囲内で、被告人会社を罰金七五〇万円に処することとする。

よって、主文のとおり判決する。

(裁判官 柴田秀樹)

別紙(1) 修正貸借対照表

昭和57年1月31日現在

<省略>

別紙(2) 修正貸借対照表

昭和58年1月31日現在

<省略>

別紙(3)

脱税額計算書

<省略>

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